田中、このヤロー。

今日はバイトだったのですが、いつもよりも中高生の入りが多かったように思います。どうやら定期テストの中日だったようです。自分が定期テストを受けていたのはもはや前世紀のことですのでこういった季節感が無くなっています。チ○コ小さいくせに喘ぎ声だけはでかいボクが言うのも何ですが、とにかく今日びの若い者は脳味噌小さいくせに声が大きいのですね。あんなに元気な声で「全然、出来んかった。マジ、ヘコむわぁ」と言われても何の説得力もありません。本当に出来なかったときは声も出ないものです。
アレはボクは高校一年生のときのことです。ボクは理科が全く出来ない人間でした。生物はまだ好きだったのですが、物理と化学が全く出来なかったのです。当時、ボクは既に文系に進むことを決意していたので、二年からは勉強するのが生物のみになることを見越してその年の物理と化学のテストは全くヤル気が無く選択問題しか解いていませんでした。この方法はクラスの中でかなり広まっていましたが、一学期、二学期と妙に勘が当たり、全問正解に近い正答率を叩き出したこともあってボクのヤル気の無さはどんどんエスカレートしていき、三学期には問題すら見ずに解答欄の大きさで「ここは選択問題やな」と判断したところだけ埋めていく、というやり方に辿り着きました。
問題の内容すら知らないボクは「さっき『イ』使ったから今度は『ア』」、「たまには『エ』の連続もあるやろ」などと響き重視の解答をしました。解き終わったときには我ながらその響きの良さに驚いたものです。これはもしや復活の呪文ではないかと思ったほどです。
春休み前のテスト返却日。結果を見てボクは愕然としました。何と0点だったのです。「そんな訳は無い」、「一、二学期と続いたあの的中率はドコへ行った?」、「仮進?来年も受けなアカンのか?」・・・。様々な思いが頭の中を駆け巡っているとき、教室のどこからか声がしました。

「あぁっ、ここ『A』やったかぁ」